人事をやっていて良かったと思う事

人事の喜び

「人事部の苦労」の記事では、まるで人事が厳しいだけの部署のような書き方をしました。
ただ、誤解しないで頂きたいのは、人事部として仕事をすることにも当然喜びがあり、後になって思い出すと良い仕事だった、と思えることも多いということです。
そこでここでは、実際に人事をやっていた人の「良かった」を紹介します。

まず1つ目として紹介するのは「自分が育てた人材の将来が見られる」ことです。
「人事部の苦労」でも書いたとおり、育成というのは根気強く、気の長い仕事です。
直ぐに効果が出るようなことは、あまりありません。

それでも、長く時間を掛けて育成した社員が、気付けば一人前になり、次の世代を担う人材になっていくことを見られるのは、人事の特権です。
ダメな子ほど可愛い、とよく言うもので、育成当初が上手くいかなかった社員が成長しているのを見る姿は他の仕事では味わえないものとなるでしょう。
自分の教育次第によって会社の将来が決まるという、経営陣とはまた違った方向性の責任ある仕事である、ということも人事の面白みだ、という声もありました。

この他では、いろいろな話を聞くことが出来る、ということをメリットに上げている人もいました。
人事は面接や人材評価など、様々なタイミングで人と話をします。
新入社員のようにまだまっさらな人の声を聞くこともあれば、転職採用で他の仕事をしてきた人の声を聞くこともあります。
こうした、他の仕事では出来ないような交流が出来る、ということが人事の楽しみの1つだ、ということです。

正解のない仕事

人事のやりがいとして、考えさせる声が1つありました。
それは「正解がない仕事である」ということです。
人事というのは文字通り、人を扱う仕事です。
十人十色というように、人にはそれぞれ考え方があり、これまで生きてきた時間があり、そして将来に見据えるビジョンがあります。

こういった人を扱うものである以上、そこに確固たる正解というのはありません。
正解が分からないからこそ、どうするべきかを常に考えていかなければなりません。
人事の難しい点は、「正解はない」ものの「失敗はある」ということです。
終ってみて初めて「ああ、正解だった」と思えるのであれば、その仕事は正解だったといえるでしょう。

人事部の苦労

人事の重要性

業種が違えども、どうしても必要となる業務の1つとして「人事」があります。
中小企業であってもこの人事業務というのは悩みの種となることが多いでしょう。

採用の業務は、会社の今後を大きく左右しうる業務であり、人事に掛かる責任も大きいと言えるでしょう。
万が一採用した社員が使い物にならなければ、その責任は人事にあるということになります。
最初は使えない人材でも、適切な育成をして適切なポジションに付けることによって、効果的な仕事が出来るようなこともあります。

では、人事業務において特に大変ことは何でしょうか?
これについてはアンケートの結果がありますので参照してみてください。
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この結果を見ると、最も課題だと考えている人がおおかったのは「人材採用」で、次点で「人材育成」となりました。
最も人事の頭を悩ませている人材採用について、困っているポイントの内訳を見てみましょう。

多かったのは「求めている応募者が集まらない」というものでした。
バブル時代には社員が会社を選ぶ時代、そしてその後の不景気の時代には会社が社員を選ぶ時代となりました。
そして今現在は、「社員が会社を選ぶ時代」へと戻りつつあります。

会社としては当然優秀な人材が欲しいと考えています。
しかし、労働者としては同時に、より良い環境で働きたいと考えているわけです。
待遇面などを見つめなおさなければ、求めている人材が来ない、というのはある意味当然といえば当然です。

新入社員の待遇までは人事部が預かっているわけではないため、決まった待遇で求められる人材を見つけなければならない難しい状況があります。
人事の中にはよく「ゆとり世代は意欲がない」というように、世代のせいにする人もいますが、この考え方は適切ではありません。

意欲がないのではなく、「仕事を選ぶ」ということの重要性を知っているだけです。
就職難の時代になると必ず「仕事は選ばなければあるのに、選んでいるのが悪い」というような考えをする人がいますが、果たしてそうでしょうか。

人生を大きく左右する就職先を、自分の思うように選ばずに決めろ、というのはなんとも人事部側の都合です。
このように、新入社員の視点に立って考えられないことが人材採用を難しくしている要因の1つと言えるでしょう。

育成のポイント

では、人材を採用した後、人材育成に関してはどのようなポイントがあるでしょうか。
こちらについての悩みについては、半数以上が「育成が上手くいかない」ということを挙げています。

これについても重要なのは、育成が上手くいかないことの責任を誰に求めるのか、ということです。
ここで新入社員の側に問題があり、正しい教育をしているにも関わらず育たないのがダメだ、と言っているようでは未来がありません。

時代が変われば、社員も変わります。
例えば「ゆとり世代は自主性がない」というようなことを言って世代のせいにする人もいますが、その世代はそういう教育を受けてきた世代なのですから、違いがあって当然です。

違う鋳型で出来たものを、別の金型にはめようとしても当然上手く行きません。
重要なのは、鋳型の方に金型を合わせることです。

もちろん、これは自由にさせて良い、ということではありません。
社会人として必ず必要になることは教え、その上で柔軟に対応できることは柔軟に対応することが重要です。

例えば、モチベーションを上げる方法などを考えていかがでしょうか。
かつてであれば「飲みに誘う」というようなことが新入社員とのコミュニケーション方法の王道でしたが、最近ではこれも変わってきています。

仕事は仕事、プライベートはプライベートと分けて考える層が多くなっており、業務時間外に仕事の話なんてしたくないと考えている人が多いのです。
これに憤慨するのではなく、なら時間内にどう教育するのか、ということを考える方が建設的です。

ゆとり世代以降と上手く折り合いを付けるポイントは「道理を通すこと(理不尽に怒らないこと)」「自分の世代の常識を押し付けないこと」の2つです。
適切な付き合い方をすれば、決して劣った世代ではありません。
良い所を見出して上手く教育していくことが、人事に求められる最大のスキルと言って良いでしょう。

モバイルファーストについて考える

モバイルファーストとは?

IT業界に置いてはよく聞くようになったものの、まだその他の業界ではそれほど認知されていない言葉かもしれません。
ここではそんな言葉「モバイルファースト」について考えます。
聞いたことがなくとも、なんとなく語感から言わんとしていることは伝わるでしょうか?

モバイルファーストというのは、ウェブサイトやソフトウェアの開発を行う際に、パソコンではなくスマートフォンのような携帯端末向けのものを先に考える、というものです。
パソコン用のものがモバイルでも使える、というのではなく、モバイル用のものがパソコンでも使える、というような環境にすることを指しています。
スマートフォン普及以前のウェブサイトを携帯電話から開いたことがある人ならば、誰もが「使いにくさ」を感じたことがあるでしょう。
この当時のウェブサイトというのはあくまでもパソコンファーストであり、モバイルセカンド(これは造語ですが)であったということです。

この言葉はIT業界の第一人者の1人であるルーク・ウロブルスキー氏の著書「MOBILE FIRST」で提唱されて広がってきました。
では、こうすることによってどのようなメリットがあるのでしょうか?

メリットはなにか

では、モバイルファーストがもたらすメリットについて考えていきましょう。
まず最初に挙げることが出来るのが、「イノベーション」です。
パソコンのメリットが「なんでもできる」ということであったのに対して、スマートフォンのメリットは「いつでも使える」ことであるといえるでしょう。
ここに目的の違いがあり、ターゲットとするものに違いが生じることになります。

より多くの人の目に触れ、使ってもらえるのはどちらかということを考えると、やはりいつでも、すぐにでも手に取ることが出来るスマートフォンでしょう。
こちらを優先にすることによって、より多くのユーザーを獲得することができる、というのがモバイルファーストによるイノベーションの考え方です。
ただ、これについて重要なのは、あくまでも「モバイルシフト」を行うことではなく、ユーザーの視点に立った考え方ができるようになること、と「MOBILE FIRST」には記されています。

では、実際にこのモバイルファーストが実践された例としてどのようなものがあるのかを紹介します。
実際の会社名については伏せますが、マーケティング戦術としてこれを利用しているケースが見られます。
メールマガジンなどを使ってお得な情報を送信し、それを元にして来てくれた人の集計を行うことによって集客と客層分析を同時に行う、というものです。
さらに店舗検索機能などを簡単にしておくことで、お得な情報から直接「行きたい」と思わせる事ができるようになっています。

他には、モバイルを使うことによって手続きを簡略化出来る、というような使われ方がされている場合もあります。
ある航空会社では、パソコンからの購入ならば10分以上掛かる手続きが、スマートフォンからなら10分掛からずに完了するような設計がなされるようになりました。
これはスマートフォンというモバイル端末が持っている「不便さ」が関係しています。

というのも、パソコンから閲覧をする場合、じっくりゆっくり見ても問題がありません。
しかし、スマートフォンからの場合、充電の都合があったり、画面が小さくて長く見続けているのが疲れたり、というような理由で、スピーディに利用を済ませてしまう人が多いということです。
判断に必要な時間を減らすことは、単純に利用者を増やすことにも繋がります。
そして同時に、不便どころか便利だと感じさせることができる一石二鳥の戦術です。

では、実際にモバイルファーストを実践しようとする場合、どのようなことに気を付けるべきなのでしょうか?
何より重要なのは前述の通り、ユーザーの視点に立つことです。
これを考える際には、モバイル端末の持っているメリットとデメリットについて理解して置かなければなりません。

メリットとしては、モバイル自体が持っている機能を利用出来る、ということです。
例えばコンパス機能やGPS機能などを使い位置情報を利用出来る、ということや、マイクとスピーカーがあるために、音声入力や音声出力を利用することが出来る、ということです。
これらを効果的に利用すると、モバイルでしか出来ない、パソコンにはない便利なシステムを構築することができます。

逆にデメリットとなるのは、モバイル自体のユーザーインターフェースの問題です。
まずスクリーンサイズはパソコンよりも小さくなるため、綺麗な映像などを取り入れても惹きつける事はあまり出来ません。
同時に、パフォーマンス(スペック)もパソコンよりも低いため、サイトとして出来ることにも制約があります。
そして、同じ端末でも、人によって使うタイミングが違っている、ということについても理解して考えておく必要があります。