モバイルファースト

モバイルファーストについて考える

モバイルファーストとは?

IT業界に置いてはよく聞くようになったものの、まだその他の業界ではそれほど認知されていない言葉かもしれません。
ここではそんな言葉「モバイルファースト」について考えます。
聞いたことがなくとも、なんとなく語感から言わんとしていることは伝わるでしょうか?

モバイルファーストというのは、ウェブサイトやソフトウェアの開発を行う際に、パソコンではなくスマートフォンのような携帯端末向けのものを先に考える、というものです。
パソコン用のものがモバイルでも使える、というのではなく、モバイル用のものがパソコンでも使える、というような環境にすることを指しています。
スマートフォン普及以前のウェブサイトを携帯電話から開いたことがある人ならば、誰もが「使いにくさ」を感じたことがあるでしょう。
この当時のウェブサイトというのはあくまでもパソコンファーストであり、モバイルセカンド(これは造語ですが)であったということです。

この言葉はIT業界の第一人者の1人であるルーク・ウロブルスキー氏の著書「MOBILE FIRST」で提唱されて広がってきました。
では、こうすることによってどのようなメリットがあるのでしょうか?

メリットはなにか

では、モバイルファーストがもたらすメリットについて考えていきましょう。
まず最初に挙げることが出来るのが、「イノベーション」です。
パソコンのメリットが「なんでもできる」ということであったのに対して、スマートフォンのメリットは「いつでも使える」ことであるといえるでしょう。
ここに目的の違いがあり、ターゲットとするものに違いが生じることになります。

より多くの人の目に触れ、使ってもらえるのはどちらかということを考えると、やはりいつでも、すぐにでも手に取ることが出来るスマートフォンでしょう。
こちらを優先にすることによって、より多くのユーザーを獲得することができる、というのがモバイルファーストによるイノベーションの考え方です。
ただ、これについて重要なのは、あくまでも「モバイルシフト」を行うことではなく、ユーザーの視点に立った考え方ができるようになること、と「MOBILE FIRST」には記されています。

では、実際にこのモバイルファーストが実践された例としてどのようなものがあるのかを紹介します。
実際の会社名については伏せますが、マーケティング戦術としてこれを利用しているケースが見られます。
メールマガジンなどを使ってお得な情報を送信し、それを元にして来てくれた人の集計を行うことによって集客と客層分析を同時に行う、というものです。
さらに店舗検索機能などを簡単にしておくことで、お得な情報から直接「行きたい」と思わせる事ができるようになっています。

他には、モバイルを使うことによって手続きを簡略化出来る、というような使われ方がされている場合もあります。
ある航空会社では、パソコンからの購入ならば10分以上掛かる手続きが、スマートフォンからなら10分掛からずに完了するような設計がなされるようになりました。
これはスマートフォンというモバイル端末が持っている「不便さ」が関係しています。

というのも、パソコンから閲覧をする場合、じっくりゆっくり見ても問題がありません。
しかし、スマートフォンからの場合、充電の都合があったり、画面が小さくて長く見続けているのが疲れたり、というような理由で、スピーディに利用を済ませてしまう人が多いということです。
判断に必要な時間を減らすことは、単純に利用者を増やすことにも繋がります。
そして同時に、不便どころか便利だと感じさせることができる一石二鳥の戦術です。

では、実際にモバイルファーストを実践しようとする場合、どのようなことに気を付けるべきなのでしょうか?
何より重要なのは前述の通り、ユーザーの視点に立つことです。
これを考える際には、モバイル端末の持っているメリットとデメリットについて理解して置かなければなりません。

メリットとしては、モバイル自体が持っている機能を利用出来る、ということです。
例えばコンパス機能やGPS機能などを使い位置情報を利用出来る、ということや、マイクとスピーカーがあるために、音声入力や音声出力を利用することが出来る、ということです。
これらを効果的に利用すると、モバイルでしか出来ない、パソコンにはない便利なシステムを構築することができます。

逆にデメリットとなるのは、モバイル自体のユーザーインターフェースの問題です。
まずスクリーンサイズはパソコンよりも小さくなるため、綺麗な映像などを取り入れても惹きつける事はあまり出来ません。
同時に、パフォーマンス(スペック)もパソコンよりも低いため、サイトとして出来ることにも制約があります。
そして、同じ端末でも、人によって使うタイミングが違っている、ということについても理解して考えておく必要があります。